多様性
鳥かご住宅
Q1) あなたが美しいと思う瞬間はどんな時ですか?
様々な背景を持つ人が集まって、一体となり、世界のために何かより良くしようと団結した時に「美しい」と感じます。
Q2) あなたの国の魅力はなんですか?
香港の「魅力」は、国民の間にある文化の多様性だと思います。香港は、思考の多様性によって築かれた場所です。1842年以降、イギリスが香港を植民地化したときも、中国人とイギリス人の異文化交流の場でありました。さらに、香港が経済的に発展し、アジアにおける貿易の世界的な拠点となったことで、世界中の人々が集まり、香港はより多様性を持つようになりました。その為、「魅力」の写真では、香港の発展と多様性を表す、香港の夜景を選びました。この「魅力」の写真は香港の主要な経済地区の反対側の島から私が撮影したものです。夜になると、写真のように高層ビルの窓から漏れる光が美しく輝き、美しい夜景を作り出します。この景色は私にとってとても特別なものです。なぜなら、多様性に満ちた場所に生まれたことが、どれほど幸運で恵まれているかということに気づかせてくれるからです。実は私の両親は国際カップルで香港で出会い、結婚しました。従って、香港でなければ私は生まれてすらもいなかったのです。このように、香港とは多様な人種を繋げる、異文化交流の場所でもあり、それが香港の魅力だと思います。
Q3)あなたの国が直面している課題は何ですか?
香港の「挑戦」は富裕層と貧困層の間にある所得格差にあると思います。香港の人口は743万人なのですが、そのうちの13%が米ドル基準で億万長者です。しかし、同時に国民の20%が貧困だと言われており、最も豊かで国際的な認知度を集めているのは、ごく一部の地域だけなのです。私が選んだ「魅力」の写真は、香港のユートピア的な側面を示していますが、実際に都市部から離れると、ニュースなどでみる香港の姿とは対照的に全く豊かではありません。そのため「挑戦」の写真は、香港の典型的な「鳥かご住宅」を選びました。香港では家賃がとても高く、多くの人々は数平方メートルの面積しかない密集した狭いスペースに住んでいます。小さな部屋にも関わらず、数人の住人が一緒に暮らしているため、多くの場合、ベッドは2段重ねにされ、隣の人とほとんど身体が触れ合うほどに詰め込まれます。そして、部屋にもエアコンがないため、夏になると部屋の温度が45度まで達します。多くの人がこのような状況にいるにも関わらず、都市部にいる多くの人たちはこの挑戦に意識を向けようとしません。また、公的な取り組みが行われていないため、香港内の所得格差がますます広がっています。
Q4) その課題を解決するために、あなたが行っていることはありますか?
香港では、この問題についての教育が行き届いておらず、学校で教えられることもないため、問題に対する社会的認知度はとても低い状況です。さらに、この貧困下の状況で暮らしている人々の多くは、香港の魅力である真の多様性を体験する機会がありません。そこで私は、富裕層と貧困層という2つのコミュニティの架け橋となるソーシャルプラットフォームを作っています。ここでは二つの地域の学生が交流することによって、新しい気づきを得たり、自分達が直面している学生ならではの悩みを共有できる場となっています。
香港が直面しているもう一つの挑戦は学生のうつ病です。多くの学生たちは勉強のプレッシャーや社会的不安などにより、うつ病や精神的な健康問題に悩まされています。このソーシャルプラットフォームで二つのコミュニティーの学生が気軽に互いを支え合える場所にしたいと思っています。異なる環境で育っているからこそ、悩みを打ち明けられたり、悩みの解消になるヒントを得られると思います。また、香港の格差社会に対する学生の意識を高めるだけでなく、精神的不安の解消にもつながる場所になって欲しいと願っています。香港は多様性に富んでいますが、その多様性という感覚は、誰にでも通じるものではありません。
Q5) あなたの夢・理想の世界はなんですか?
すべての人に平等な機会、つまり、平等な成長、幸福、満足、愛のある世界を願っています。