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MONOSASHI file05

Miki Kawamura

ありのままの自分でいること

MONOSASHI file05は、HI合同会社インターンの川村美妃さん。中学生でHI合同会社インターンを始めた川村さんですが、これまでの人生でどんな物差しに触れ、その中でどのように成長していったのか、川村美妃さんだけのMONOSASHIについて教えてもらいました。

Q.簡単な自己紹介をお願いします。

はじめまして、こんにちは!川村美紀です。今は15歳で、UWC ISAK JAPANの高校1年生です。アイスクリームがすごく好き。青色も好き。今興味があるのは、まずは将来はお医者さんになりたいので医療っていう軸です。学問そのものだったりとか、生命倫理だったりとか、死生観っていうのに興味があります。もう1つが、HI合同会社の境界線を溶かすっていう多様性とか平和って言う軸。これらの二つの軸を持って、今はOur Beauty Our Challengeというプロジェクトなど、いろいろと活動させてもらってます。

Q.MONOSASHIコンセプト「自分だけのMONOSASHIを見つけよう」にちなんでお気に入りの服で来ていただいた川村さん。今日のコーデについて教えてください。

好きな青色の洋服を着てきました。それから、ジャケット! きちんと見えるのと大人っぽく見えるから好きなんです。ちょっと背伸びみたいな感じで。あとブランドのZARAが好きなんです。だから今日は自分の好きなZARAの青色のジャケットを着てきました。

Q. 大人っぽく見せたい気持ちがあるのですか?

 

祖母や母がいろんなところで登壇したり、スピーチをすることが多いんですが、いつもみんなジャケットを着てるんです。そういう姿を小さい頃からずっと見てきたからこそ、私も将来ああなりたいなと思って、ちょっと真似してみてるのかもしれないですね。母と祖母がそういうかっこいい姿をその服装で見せてくれてたから、憧れてるかもしれないな。

 

この人は私に何を求めてるんだろうと探っていた

 

Q.これまでの人生で感じてきた物差しはなんですか?

今じゃ全然逆なんですけど、小さい頃は、結構みんなの顔を見て空気を読むのがどちらかというと得意で、「この人は私に何を求めてるんだろう」っていうのを自分の中で考えて、行動するっていうのはすごい強く意識してた。

例えば、家庭教師がお家に来ています。作文を書かなくてはいけなくて、なにをテーマに書くかってなったときに、「この家庭教師は私に何を書いてほしいんだろう」っていうのを探るんです。テーマは何でもいいんですよ、アイスのことでもいいし、ディズニーとかでもよくて。家庭教師がいくつかポストイットにテーマを書き出してくれて、私に「これ?それともこれにする?」とか聞いてくれるんですが、家庭教師が指す回数が多いテーマを観察して、最終的に多分これかなみたいなのを伺いながら決めてたのはすごい記憶に残ってる。

 

Q. その当時、川村さんが思っていたことはありますか?

 

別にはっきりとは言われなかったけど、母方も父方も親族の中で初めての子供だったから、いろんな人から何か期待されてるんじゃないかっていうのをすごい自分の中で意識的に持ってて、なんかその期待に応えようと必死に頑張っていた。

例えば、お医者さんの家庭なんですね、私の父方。だから、ふすまの向こうで祖父とかが「将来、医学部にちゃんと行けそうなの」みたいな話をしているのが聞こえてたから、期待されてるんじゃないかとか、これが求められてるんじゃないかっていうのは、空気感ですごい感じていた。

私も小さかったから、両親とか祖父が喜んでくれるのが嬉しい訳で、多分その期待に応えてあげたい、喜んでもらいたいっていうのがあった。

周りの期待に応えなくても褒められるし、喜んでもらえる

 

Q. 冒頭、「今じゃ全然逆で」という話があったと思いますが、小さい頃からどのように今の自分に変化していったのですか?

 

多分2つ転機があって、1つ目が小学校のインターナショナルスクールを卒業する小学5年生のとき。

小学5年生の最後に大きな学校のプロジェクトがあって。一つ日本における社会課題のテーマを決めて本当に全力で半年間取り組みます。算数とか国語の授業も全くなくて、朝から晩までその社会活動についてインタビューや見学に行って。最後には、論文をまとめてプレゼンテーションをします。あと、実際にその社会活動に貢献するためのアクションをしなきゃいけなくて、そのときなんか凄い面白い!ってなって。それって、まずその研究テーマを、その時は自分で決められたっていうのがひとつと、あと自分がしたいことをしてやるぞってなったときに、今までの学校とかで教えられてきたものじゃなくて、自分で決めた何かを先生とかも褒めてくれることで自信がついたのかな。自己肯定感がある意味あがって、別に周りの期待に応えなくても褒められるし、喜んでもらえるし、しかもそれが全部自分で生み出せるものなんだみたいな。

Q. もう1つの転機について教えてください。

 

もう1つの転機は友達と出会えたこと。中学校で出会えためっちゃベストフレンドだったのが、中国からきた女の子で、その子がめちゃくちゃ正直者だった。

たまにグサッて刺さるんですけど、はっきり意見を言うし、嘘つかないし、自分をめっちゃアウトプットするみたいな感じの子で。その子がズバズバ言ってくるから、自分も言ってやろうってなりました。私が自分の意見を言っても全然その友達は、傷つかなくて。すごいラフな感覚で答えてくれるから、私が自分の意思を伝えても別にそんな傷つくもんじゃないんだっていうのをその時に気がついた。

 

あとその子と私は似てるけど、逆の性格だったからこそ自分の強みとかにも気づけたのかもしれないです。考え方も逆だから、やりたいこともいつも結構ぶつかって。ぶつかるからこそ疲れるんですよ。その子の気を遣って毎回心を読もうとしてると、私がしたくないことまでしなきゃいけないから、私ももう嫌だってはっきり言うようになったら、逆にうまくいった。だからこそ自分の得意なこと不得意なことも知れたし、なんかいちいち気を遣ってるのも疲れるから自分のことを大切にしたほうが楽だって気がつけました。それから、普通の放課後の会話でも、今までの友達は流行りのものとかそういう感じのトピックが多かったけど、この友達とは答えのない話をすることが多かったです。それこそ日本の相対的貧困についてとかでも喋れる友達だった。違うんじゃないっていうのをすごく素直にお互いにぶつけ合える関係性で。毎回ぶつかっても、お互い傷つかないし「学びだよね」みたいな感じが強かった。


 

Q. 最初はその友達のグサグサについてはどう思っていましたか?

 

最初は不快でした。だって「私は我慢して今のあなたを気遣ってるのに、なんであなたはそんなに正直なの!!」って思って。だけど、その子に悪気がないことがわかって、私にとっては、人に対して気を遣うことが常識だったけど、その常識が壊されたら、別にその人に気遣わなくたって自分自身を発揮していいんじゃないのっていうのを思った。そういう常識に長く触れれば触れるほど、自分の常識も崩れていった。今も友達だけどライバルみたいな、常に何か刺激し合える関係。学校は変わっちゃったけど、毎週1回は絶対電話するみたいな。電話すると、この子頑張ってるんだからうちも頑張ろうって思えます。

どれだけ自分の理想に近づけられるかも大切。

その理想を達成するための努力もしてきた気がするから。

 

Q. 人生を振り返って、何か気づいたことはありますか?

 

医者になりなさい、みたいなのが最初は求められていて嫌だったけど、結果的にはそれが自分の理想に変わったのかな、と思います。

進路選択で本当にありのままの自分でしかいられなくなったときに、どれだけ自分の理想に近づけられるかっていうのも結構自分の中で大きいとかあるかなって思って。その理想を達成するための努力もしてきた気がするから。

だから求められてプレッシャーだと思ってたことが、1回離れて見てみたら、あれ、自分の理想でもあるなって気がついた。だから結局ありのままの自分で選んでも医学の道を選ぶんだなって。

 

小学4年生の終わりに将来の10年後の自分に書く手紙があって、でも私我慢できなくて5年生に開けちゃってるんだけど、4年生の時に、祖父母が病院で働いているみきの姿を見たいって言ってて。その祖父からのプレッシャーも感じてたから、別にお医者さんになりたいって思っていなかったのに、「みきは将来、お医者さんにちゃんとなれてますか、おばあちゃんのことをちゃんと診てあげられましたか」みたいなことをその将来の手紙で書いてたのをすごい覚えてて、すごいプレッシャー感じてたんだなっていうのは思う。でも、今振り返るとそうなりたいってなってるから、面白いな。

今は、ありのままでいなさいってなったときに、何に興味があるんだろうっていろんなところに目を向けるようになって、やっぱり母の姿だったりとか祖母の姿だったりとか、父の姿もすごい憧れでかっこいいっていうふうに思えて。父はお医者さんで母はお医者さんもしながら平和活動とかしてる方で、そういうのがかっこいいし、理想だなって思いました。どんな人になりたいのかな、私ってどんな人だろうって、すごい周りに目を向けたときに、やっぱりその身近にいた人がすごい理想だったからこそ、今自分の中にある二つの軸も結局は医療と平和っていうのになるのかな。

MONOSASHI編集長・HI合同会社インターン / 松井瞳

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