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​MONOSASHI file06
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MONOSASHI file12

Aru Sakurai’s MONOSASHI

好きなことを
仕事にする覚悟

MONOSASHI file12は、桜井亜瑠さん。大学では栄養学を勉強しながら、先日スイーツブランド「Time for sweets」を立ち上げた桜井さん。食を軸に日々素敵な作品を生み出し続けています。そんな桜井さんはこれまでどのように生きてきたのか。桜井亜瑠さんだけのMONOSASHIについて教えてもらいました。

Q. MONOSASHIの取材では、ゲストにお気に入りの洋服を着てきてもらうプチコーナーを実施していますが、今日はなぜこの衣装を選んだのですか?

 

今日は、「foufou」というブランドのお洋服を着ています。この服がお気に入りな理由が2つあって。普段私は、フリーランスのパティシエとして働いていて制服がないんです。お仕事に行くときにこれを着たら背筋が伸びる、みたいな服が欲しいと思っていました。お仕事仲間の親友から「あるちゃんに似合いそう」と勧められたこの服は、制服ではないけど、コック服のようにも見えるので、その点が気に入っています。私にとってはまさに戦闘服ですね(笑)。

あと「foufou」のデザイナーの方は、四年制大学を卒業後、文化服装の夜間学校に通いながらこのブランドを作っていて。私も大学2年生の時に休学して製菓専門学校に通っていたので、その経歴が似ている点でも、勇気をもらえるお洋服です。

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これまで出会った全部に胸を張れることをしたい。

 

Q. ブランドやその作り手に対する愛がとっても伝わってきました。早速ですが、桜井さんだけのモノサシについて教えてください。

 

自分の人生を振り返ると、私が今までずっと大事にしてきたことは、好きなことを仕事にしたいっていうこと。仕事をするということは、ただお金を稼ぐためだけじゃなくて、社会に対して少し良いことを返していくような、恩返しのイメージがあります。自分の好きなことを仕事にすることで、自分がお世話になった人や場所に恩返しをできるようにしたいと考えています。「そのための道中に私は今いるのか?」っていうのを常に自問自答することを日々大切にしています。

 

Q. 社会に対しての恩返し...!そのような意識は、小さい頃からあったのですか?桜井さんの生い立ちを教えてください。

 

父の転勤のため、私は小さい頃からずっと日本中を転々としてきました。特定の人にお世話になったというよりも、これまで住んできた場所や関わってきた人々全部から、いろんな影響を受けて自分がいるなっていうふうに感じています。だから、特定の何かじゃなくて、これまで出会った全部に胸を張れることをしたいって思っています。

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狂気でお菓子をやっています!笑

 

Q. 現在、桜井さんは大学に通いながらパティシエとしてブランドをされていますが、 お菓子に夢中になったきっかけはありますか?

 

私はちっちゃい頃からずっとケーキ屋さんを開きたいと言ってきました。最初の原点は、よくある話だけど、休日にホットケーキを焼いて「美味しいね」って言ってもらえて嬉しかったこと。それと、小学校の頃は学校が苦手でたまにサボっていたのですが、休んだ日にはお菓子を作ることがよくありました。そこの体験も、私がお菓子にこだわる理由の一つなのかもしれません。高校や大学では、「お菓子だ!」という強い決意を固めて、今に至ります。

 

Q. お菓子を軸にするという決意はどのようにして固まったのですか?


私の通っていた高校は少し特殊で、特定の分野で尖っている人がたくさんいました。他にも色々好きなことはあったけれど、どの分野でも私よりすごい人なんていくらでもいるじゃんっていう現実に直面しながら、「じゃあ私は何ができるんだろう。」って考えていました。自分には圧倒的な才能がないことが少しコンプレックスだったけど、周りで誰もやっていなくて、かつ自分が社会と関わる上でツールにできるものを探したとき、「お菓子かも」と思ったんです。何よりお菓子が好きだし、得意だし。お菓子について深く学ぶにつれて、その世界ってめちゃくちゃ面白いじゃんって気づいて、今では食の世界が好きすぎるっていうか、新しい食の世界を見てみたい!という狂気でお菓子をやっています(笑)。

 

Q. お菓子に対する愛を感じます。これまでの人生で転機となったタイミングはありますか?

 

20歳の時に、これまで趣味でやってきたことが仕事に変わるっていう節目を迎えて、個人事業主として開業届を出しました。それから、自分はこれで生きていこうって決意して、自分の仕事=自分の人生っていうふうに責任を持たなきゃいけないって思い始めました。ちょうど同じ時期に、小規模だけど人を雇う経験もしました。今後事業を大きくしていったときに、従業員や自分の生活に責任を持っていかなきゃいけないって感じたのが結構大きかったかもしれないです。まだまだ未熟者ですが(笑)。

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親友であり戦友

 

Q. 開業届を出すという決断はすごいですね。もともと目標としていたことなのか、勢いで決めたことなのか、そこに賭ける想いはありましたか?

 

高校生のときから、どこかに所属するよりも1人でやる方が好きだったので、いつかは独立するだろうなと思っていました。20歳の節目に、何となくそのタイミングがきたという感じ。ちょうど区切りがいいと感じたのと、そこで覚悟を決めたいと思った。

もう一つ、私の中で大きいと思う理由が、この服をおすすめしてくれた親友の存在です。その子が高校卒業後、大学に行かずに開業届を即出すっていう生き方をしていて。その親友と一緒に大きい仕事をするっていうタイミングだったから、今かもしれないと、影響を受ける形で決めました。

 

Q. その親友は、桜井さんのモノサシや生き方に大きな影響を与えているのが感じ取れました。その親友はどんな人ですか?

 

高校のときの友人です。彼女は映像や音楽の活動をずっとしていて、高校卒業後に一緒に活動するようになってからさらに仲が深まりました。結構、破天荒な子なんですよね。進路希望で、みんなが大学名を書く中、その子は「旅人」って書いてて。本当に大学行かなかったし。そんな人生本当にある!?っていう信じられない選択を平気でできる人。反対に私は、自分の人生に見えない上限を決めて自分の力をセーブしちゃうところがあって、こうしなきゃいけない、みんなこうするでしょ、みたいな。でもその子を見ていると、その上限ってないんだっていうふうに気づかせてくれる存在です。

 

Q. 本当に素敵な関係性ですね。その親友とは一緒にどんなことをしてきましたか?

 

一番最初は、アーティスト写真の撮影用にお菓子を作ってくれない?と依頼をもらったこと。それをきっかけにして、”食を美術品のように楽しむ”喫茶店をはじめました。新しい挑戦だったから、できるかもわかんないけどやるしかない!みたいな状況を一緒に経験したのがやっぱり強かった。そういう意味で同じ仕事を一緒に頑張った戦友でもあるし、それぞれの人生をちゃんと歩もうって頑張ってる親友でもある。彼女との仕事が初めてちゃんとクレジットを出してもらった仕事だし、好きなことを仕事にしたいと思ったきっかけも、その子かもしれない。

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今いる場所を確認するための「定点観測ノート」

 

Q.  桜井さんが目標に向かって普段からしていることはありますか?

 

私は、自分の人生を振り返るのが好きなので、定期的に「定点観測ノート」をずっと書いています。そのノートの中では、今やりたいことや、長期目標、そのために必要な中期と短期の目標を逆算しています。今いる場所の確認と、過去の振り返りを同時にやるっていう感じ。例えば、今月はこういう仕事を新しくできたとかこんなこと考えてたなっていうのを、普段忙しくて書けないから、そのときに一気に振り返っています。半年前に書いた目標全部叶っててすごい!みたいな。頻度としては、2ヶ月に1回くらいだけど、特に決めてなくて気が向いたときに書いています。

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お菓子を仕事にするっていうのは、高校生のときには文章化していました。何回も引っ越しを重ねてきたこともあり、もう会えない人や戻れない場所もあるのですが、そういうものに対して、「ずっとまっすぐに生きてるよ!」っていうふうに胸を張っていたいなっていう想いがあるかもしれないです。私の中では、仕事がないと人生じゃないというくらい、仕事は大切なもの。お菓子で世界を幸せにしていきたいっていう思いがあるから、そうやって仕事をして世界とか社会をちょっと良くすることが、自分の人生そのものの意義でもあると今は思います。

MONOSASHI編集長・HI合同会社インターン / 松井瞳

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